武者小路実篤との共通点
- 長倉陽一
- 2021年10月3日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年11月25日
僕はもともと東京の狛江というところに住んでおり、隣町には調布という町があります。
調布には武者小路実篤の記念館があるのですが実篤は調布に住んでいたと父から聞いていました。その時は何とも思っていなかったことですが、仕事の関係で引っ越した先に"新しき村"という実篤が土地を買って住民と作り上げた理想郷とした場所があり、たまたま住んだ場所に実篤が深く関わっていることに少し縁を感じます。
仕事の関係で新しき村にある家を使って仕事先で絵を描いている利用者の作品も飾らせてもらい、自分も展示に使って良いと言ってもらい早い内に実現したいと思っています。
実篤の美術館や記念館に行ったくらいで触りしか知らないけど、この巡り合わせは何か意味があるように感じています。
武者小路実篤の繋がりには白樺派の柳宗悦という方がいて芸術では岸田劉生、文学では志賀直哉との繋がりがあるそうです。
柳宗悦が中心で始まった民芸運動にいる棟方志功らとの繋がりもあり、海外の画家に憧れつつも土着的な作風の作家が多いように感じます。
柳宗悦がそういうアドバイスをしていたからというのもあるけど批評家や文学、芸術とジャンルの垣根を越えた繋がりによって民芸が見いだし江戸期に制作していた円空や木食が再発見した話を聞いたことがあります。
改めて考えるととても壮大な活動を当時の人はしていたんだなと思いました。
今の時代みんながみんな「個」を主張して他人とか変わることをなるべく避けている人が多いのに比べて昭和以前の人たちは関係性が深い。
明治や敗戦したタイミングから日本の文化に否定的な見方をする状況が長く続いているように自分は感じていました。漫画やアニメのようなサブカルが文化として押し出されるようになって変わってきていることもあるけど、古来からある文化に対しては別という感じがする。
「伝統」というくくりで曖昧な認識、外国人みたいに「寿司!」「歌舞伎!」「浮世絵!」自分の国の文化なのに知らないことが多い。
そう感じていたから民芸運動で掘り起こすようなムーブメントはなかなか貴重な活動だったんじゃないかと思います。
自分の国の文化を否定的や曖昧な認識の人が多い今でも自分の国にあるアートを再発見したり新しい価値観でアートを見出だすような働きかけを様々なジャンルの人と作れることができたら面白そうです。
日本の文化を楽しく学べる場、西洋文化と日本文化を比較して新しいものを生み出す場が増えたら明治にあった和洋折衷やジャポニズム的なものを作り出しやすい気がします。
美術でも音楽でも西洋のもの学校などでよく扱われるしTVでもYouTubeでも楽しく詳しく学べる機会はあるけど、日本の文化の方はどこか暗いし基本少ないように感じる。
小中高でも授業で教わることはほとんどなくて大学で専攻してないとを触れる機会がないんじゃないかな?そんな風に思います。
日本のおかしなところです。
そんな風に思っていたから武者小路実篤との共通点から自分が疑問に感じていたことに対しての解決に繋がる糸口になるかも(?)という思いになり嬉しくなります。
さまざまなジャンルで気持ちを共有できる人と繋がれたらきっとおもしろい発想が浮かぶ。そんな気持ちになりました。
早く新しき村で展示ができるよう頑張りたいと思います。
写真は"新しき村"の精神↓

⬇️利用者の作品展示の時の様子
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